ソフトバンクのボーダフォン買収による最大の恩恵を受けるのはヤフー?

 ソフトバンクによるボーダフォン買収でビジネス界は激震が走っているといったら言い過ぎかもしれない。これまでゆっくりと進んでいた感があった携帯電話業界が「携帯電話と固定電話の融合」に向かって一気に動き出したといっていい。「固定+携帯+ブロードバンド接続+ブロードバンドコンテンツ」を最初に揃えられる立場になったので戦略的には正しい。ただ、二兆円近い資金調達など課題も多くマイナスの面を指摘する向きも実に多い。確かに買収による効果は多岐に渡るが即効性がすぐに出るわけでもないので、まずコスト負担が気になるのは仕方ないだろう。その点でヤフーは興味深い位置にいる。中長期的にはブロードバンド配信ビジネスに大いにプラスに作用するだろうが、私が注目しているのは電話料金の引き落としだ。別にクレジットカード決済もオンライン銀行引き落としも必要ない。シンプルに電話料金の引き落としをヤフーポータル内での「買い物」に使えると思われる。ブロードバンドコンテンツでもいいし、ヤフーショッピングでもいい。
 実際、auが先月から開始している「auショッピングモール」では料金請求と同時に引き落としできる様になっている。予想以上に店舗が多くサービス開始できたのも店舗側がこの「料金引き落とし」による決済を高く評価しているかららしい。ひょっとしたらソフトバンクボーダフォン買収の最大の恩恵はヤフーが受けるかもしれない。