KDDI「リスモ」その2

 また「リスモ」ネタです。先日はせっかくのSNS的サービスが有料ということを指摘させていただきましたが、今回は別の視点で問題点を指摘したいと思います。

 このサービスの本音は「auユーザーの囲い込み」であり、決して音楽配信の普及を促進させることにない点にあることです。一部報道にあるような「打倒iPod」など遠い、というか会社側も意図しているかも疑問。なぜか?

問題点その1「既存の音楽ファイルを使えない」

 これだけで既存のiPodユーザーが間違っても「リスモ」サービスに傾かないことがおわかりいただけるでしょう。これなら携帯電話と携帯音楽プレーヤーを別に持ったままでしょうね。

問題点その2「ダウンロードした音楽ファイルが他の携帯音楽プレーヤーやリスモ対応のプレーヤーで使えない」

 つまり、auを解約したらせっかくダウンロードした音楽ファイルが聴けなくなることを意味しています。まともな消費者ならこれはペケでしょうね。たまにダウンロードする程度なら「使い捨て感覚」でもありかもしれません。今の着うたフルの発想そのままですよね。

 じゃ、何が違うのか?

 PCでバックアップが取れるようにしたことや大容量メモリ搭載の携帯電話端末を用意されているので、これまで容量の問題でダウンロードし切れなかった奇特なユーザーが「これまでよりも多くダウンロードする」。これで多少は需要が増えるかもしれませんが・・・

 某新聞でリスモの開発したストーリー記事がありまして「予算を上回る開発コストになったが上層部を説得して・・」という美談めいたものがありましたが、そんな価値があるのかなと疑問に思いました。

 結局、顧客の囲い込み戦略のひとつでしかないのは間違いないでしょう。まあ通信事業者としてはアリなのかもしれません。でも音楽ファイルを使い捨て感覚でいいと決めつけている限りは、音楽配信が爆発的に伸びることはありえないと思う。音楽配信が爆発的に伸ばせればパケット通信も増えると思うんだが