テレビCMは死んだと思う

 視聴者をその場で引きつけるコンテンツ。例えばワールドカップや少し前のプロ野球、ニュースも含まれる。逆に言えばその場にいなくてもいい、つまり録画しておいて後で見る番組はスポンサーから見て価値はない。なぜなら視聴者は録画してCMを飛ばして見るからだ。長時間録画を可能にしたレコーダーの普及が背景にあると思うが、長期的には視聴者の嗜好の多様化もあると思う。僕がスポンサーの立場になって考えるとCMに金を出す価値があるのか疑問だろう。名前やイメージを人々に周知させることが目的であればテレビCMやる意味があるだろうがこれまでのCMがすべてそうだったとは思えない。あと、売上にどれだけ結びついているのか成果についても不透明なので、CM予算がどれだけ売上に貢献したのか明らかにできない。
テレビ局の立場にたてば、スポーツやニュース以外に魅力ある番組を作らなければいけないだろうが、視聴者は時間に縛られたくないので見たければ録画してみる。なおさらCMなど飛ばしてしまう^^
ここで重要なのはどれだけ魅力的な番組を作ろうがCMがスキップされてしまうことだ。これはジレンマだろう。他人事ながら大変だと思うが大きなトレンドとしかいいようがない。
強いていえば視聴者を決まった時間にテレビの前に縛り付けてしまうような番組を作ることだと思うがスポーツやニュースでもない限り難しいだろう。
そのスポーツでさえ、日本のプロ野球放送の視聴率の低迷をみれば大変な時代になっている。
解決策は既存のテレビCMからのスポンサー収入に頼り切る構造を変えるしかないだろう。例えば視聴者からダウンロードして手数料を取るのが一般的な解決策の一つだろうが、これまたジレンマがある。ダウンロードして手数料収入があるのはいいが、視聴者の時間を奪うのだ。ということは今放送している番組の視聴率を下げるということでもある。わずかなダウンロードによる収入とスポンサー収入の犠牲が見合わないから事態が動かないのだろう。ということは現存のテレビ局から新たな動きを期待する方がどうかしていると考えた方がいい。現実的に考えてコンテンツをどんどんインターネットに流す(例え有料だろうが)のはテレビ局にとり利益に反するのである。